失業保険は、退職後の生活を支えるもっとも基本的な仕組みです。ただし、もらえる金額も、もらえる期間も、振り込みが始まる時期も、退職理由と年齢と勤続年数によって大きく変わります。
「自己都合だからしばらくもらえない」と思い込んでいた人が、実は会社都合扱いになったというケースも珍しくありません。
この記事では、失業保険の受給条件から、2026年8月1日に改定された最新の支給額、所定給付日数の全パターン、2025年4月の法改正で短縮された給付制限まで、厚生労働省とハローワークの一次資料にもとづいて整理します。
月給別のシミュレーションも載せているので、自分がいくら受け取れるかの目安がその場で分かります。
失業保険とは?正式名称は雇用保険の「基本手当」
失業保険という名前の制度は、法律上は存在しません。正しくは雇用保険という制度があり、そのなかの求職者給付のひとつである「基本手当」が、一般に失業保険や失業手当と呼ばれているものです。
目的は、離職した人が生活の心配をせずに再就職活動に専念できるようにすることです。したがって、単に会社を辞めただけでは受け取れません。働く意思と能力があり、実際に求職活動をしていることが前提になります。
退職後にもらえる他のお金との違い
退職前後に受け取れるお金はいくつかあり、混同されがちです。出どころと条件で整理しておきましょう。
| 失業保険(基本手当) | 退職給付金(退職金) | 傷病手当金 | |
|---|---|---|---|
| 出どころ | 雇用保険(国) | 勤務先の会社 | 健康保険 |
| 条件 | 働く意思と能力があり求職活動中 | 会社に退職金制度があること | 病気やケガで働けない状態 |
| 金額の目安 | 退職前賃金の50〜80% | 会社の規程による | 標準報酬日額の3分の2 |
| 税金 | 非課税 | 退職所得として課税 | 非課税 |
失業保険は非課税なので、受け取った金額に所得税や住民税はかかりません。一方で会社から受け取る退職金は退職所得として課税対象になります。
退職後に受け取れるお金は、失業保険だけではありません。傷病手当金や再就職手当などを含めると、全部で18種類あります。全体像は退職給付金とは?もらえるお金18種類の条件・金額・申請方法で解説しています。
なお、傷病手当金と失業保険は同時に受け取ることができません。傷病手当金は「働けない状態」、失業保険は「働ける状態」が前提で、条件が正反対だからです。
病気で退職した場合は、まず傷病手当金を受け取り、働ける状態になってから失業保険に切り替えるのが基本の流れになります。傷病手当金の条件や受け取る順番については、傷病手当金|働けない期間を支える給付で解説しています。
失業保険をもらえる条件|2つの要件を満たすこと
基本手当を受け取るには、次の2つをどちらも満たす必要があります。
- 被保険者期間が足りていること
- 失業の状態にあること
これから詳しく解説します。
条件1:被保険者期間が足りていること
必要な期間は、退職理由によって変わります。
| 退職理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 自己都合退職・定年退職など | 離職日以前2年間に通算12か月以上 |
| 倒産・解雇など(特定受給資格者) | 離職日以前1年間に通算6か月以上 |
| 契約更新なし・正当な理由のある自己都合(特定理由離職者) | 離職日以前1年間に通算6か月以上 |
参考元:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
ここでいう1か月は、単に在籍していた月ではありません。離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1か月として数えます。
休職していた月や、勤務日数が極端に少なかった月はカウントされないため、在籍年数より短くなることがあります。
条件2:失業の状態にあること
ハローワークが言う「失業の状態」とは、次の3つがそろっている状態を指します。
- 積極的に就職しようとする意思があること
- いつでも就職できる能力があること
- 本人やハローワークの努力にもかかわらず職業に就けないこと
したがって、次のような人は条件を満たしません。
- 病気やケガですぐには働けない人
- 妊娠・出産・育児のためにすぐには働けない人
- しばらく休養しようと考えている人
- 家事や学業に専念する人
- すでに次の就職先が決まっている人
- 自営業を始めた人(準備段階を含む)
ただし、病気や妊娠・出産・育児などですぐに働けない場合は、受給期間を先送りする延長制度があります。この記事の後半で説明します。
失業保険はいくらもらえる?計算方法と2026年最新の上限額
1日あたりの支給額を「基本手当日額」といいます。計算は2段階です。
ステップ1:賃金日額を出す
賃金日額 = 離職前6か月間に支払われた賃金の総額 ÷ 180
ここでいう賃金には、毎月決まって支払われる基本給や各種手当、残業代が含まれます。一方で賞与(ボーナス)や退職金は含まれません。そのため、ボーナスの比率が高い人ほど、実際の年収に比べて賃金日額は低めに出ます。
ステップ2:給付率を掛ける
賃金日額に50〜80%の給付率を掛けたものが基本手当日額です(60〜64歳は45〜80%)。給付率は賃金が低い人ほど高くなる仕組みで、賃金日額が高くなるほど段階的に下がっていきます。
この上限額と下限額は毎年8月1日に改定されます。2026年8月1日からの金額は次のとおりです。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 | 前年からの増減 |
|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 14,900円 | 7,450円 | +195円 |
| 30歳以上45歳未満 | 16,540円 | 8,270円 | +215円 |
| 45歳以上60歳未満 | 18,220円 | 9,110円 | +240円 |
| 60歳以上65歳未満 | 17,400円 | 7,830円 | +207円 |
下限額は年齢に関係なく、賃金日額3,203円、基本手当日額2,562円です。この改定は、2025年度の平均給与額が前年度より約2.7%上昇したことによるものです(参考元:厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」)。
月給別シミュレーション
賞与を除いた月給をもとに、2026年8月1日以降の計算式で算出した金額です。1か月を30日として換算しています。
| 退職前の月給 | 賃金日額 | 30歳未満 | 30〜44歳 | 45〜59歳 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 6,667円 | 5,037円 | 5,037円 | 5,037円 |
| 25万円 | 8,333円 | 5,776円 | 5,776円 | 5,776円 |
| 30万円 | 10,000円 | 6,307円 | 6,307円 | 6,307円 |
| 35万円 | 11,667円 | 6,630円 | 6,630円 | 6,630円 |
| 40万円 | 13,333円 | 6,744円 | 6,744円 | 6,744円 |
| 45万円 | 15,000円 | 7,450円 | 7,500円 | 7,500円 |
| 50万円 | 16,667円 | 7,450円 | 8,270円 | 8,333円 |
月給30万円なら1日6,307円、30日で約18万9,000円という計算になります。月給が20万円の人は給付率が約76%と高いのに対し、月給40万円の人は約50%まで下がります。
賃金が高い人ほど手取りベースでの落差が大きくなる点は、退職後の生活設計で見落とされやすいところです。
30歳未満で月給45万円の人が、45〜59歳の人より金額が低くなっているのは、年齢区分ごとの上限額に達しているためです。若い世代ほど上限が低く設定されています。
失業保険をもらえる期間|所定給付日数の全パターン
基本手当を受け取れる日数を「所定給付日数」といいます。退職理由によって表が3つに分かれ、会社都合のほうが手厚くなっています。
自己都合退職・定年退職の場合
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
自己都合の場合は年齢に関係なく、勤続年数だけで決まります。20年以上勤めても最長150日です。
倒産・解雇などの場合(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
参考元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
最も長いのは45歳以上60歳未満で勤続20年以上のケースで、330日です。自己都合の最長150日と比べると180日、およそ6か月分の差になります。
就職困難者の場合
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1年以上 |
|---|---|---|
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
障害者手帳を持つ方など、就職が特に困難と認められる場合はこの表が適用されます。
受給総額のシミュレーション
日額と日数を掛け合わせると、総額の目安が出ます。
| 条件 | 基本手当日額 | 所定給付日数 | 総額の目安 |
|---|---|---|---|
| 28歳・月給25万円・勤続6年・自己都合 | 5,776円 | 90日 | 約51万9,000円 |
| 35歳・月給30万円・勤続12年・自己都合 | 6,307円 | 120日 | 約75万6,000円 |
| 35歳・月給30万円・勤続12年・会社都合 | 6,307円 | 240日 | 約151万3,000円 |
| 50歳・月給45万円・勤続25年・会社都合 | 7,500円 | 330日 | 約247万5,000円 |
同じ35歳・月給30万円・勤続12年でも、自己都合と会社都合では総額が約76万円違います。退職理由の判定がいかに重要かが分かる数字です。
失業保険はいつから振り込まれる?待期期間と給付制限の仕組み
退職してすぐに振り込まれるわけではありません。ここが失業保険でもっとも誤解されやすい部分です。
全員に共通する「待期期間7日」
ハローワークで求職の申し込みをして受給資格が決定された日から、通算7日間は誰であっても支給されません。これを待期期間といいます。会社都合でも自己都合でも共通です。
自己都合の場合の「給付制限」は2025年4月から1か月に短縮
正当な理由がない自己都合退職の場合、待期期間の満了後にさらに支給されない期間があります。これが給付制限です。
2025年4月1日以降に離職した人は、この給付制限が原則1か月に短縮されました。2025年3月31日以前の離職では原則2か月だったため、1か月早く受け取れるようになった計算です(参考元:群馬労働局・ハローワーク「給付制限期間が短縮又は解除されます」)。
ただし例外が2つあります。
- 退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けている場合は3か月
- 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)の場合は3か月
短期間での転職を繰り返している人は、3回目の離職から給付制限が3か月に戻る点に注意してください。
教育訓練を受ければ給付制限は解除される
2025年4月からの新しい仕組みとして、リ・スキリングのための教育訓練等を受けた場合、給付制限そのものが解除されます。この場合、待期7日が終われば給付制限を待たずに受給を開始できます。
対象となるのは次の訓練です(2025年4月1日以降に受講を開始したものに限ります)。
- 教育訓練給付金の対象となる教育訓練
- 公共職業訓練等
- 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
- これらに準ずるものとして職業安定局長が定める訓練
離職日前1年以内に受けた場合(途中退校は対象外)と、離職日以後に受ける場合の両方が対象になります。該当しそうな人はハローワークに相談してください(参考元:厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」)。
実際の入金までのタイムライン
| 会社都合の場合 | 自己都合の場合(2025年4月以降) | |
|---|---|---|
| 離職票の受け取り | 退職から10日〜2週間程度 | 退職から10日〜2週間程度 |
| ハローワークで求職申込み 受給資格決定 | 離職票を持参した日 | 離職票を持参した日 |
| 待期期間 | 7日間 | 7日間 |
| 給付制限 | なし | 原則1か月 |
| 最初の失業認定日 | 受給資格決定からおおむね4週間後 | 受給資格決定からおおむね4週間後 |
| 初回振込 | 認定日から5営業日程度 | 認定日から5営業日程度 |
| 入金までの目安 | 退職から約1か月半 | 退職から約2か月半 |
会社都合でも入金まで1か月半程度かかります。自己都合ならさらに1か月です。退職前に、少なくとも2〜3か月分の生活費は用意しておく必要があります。
自己都合でも「会社都合扱い」になるケースがある
自分から退職届を出した場合でも、その理由によっては特定受給資格者や特定理由離職者と判定され、会社都合と同じ扱いになることがあります。給付日数が倍近く増え、給付制限もなくなるため、影響は非常に大きい部分です。
特定受給資格者に当たる主なケース
- 会社の倒産や事業所の廃止に伴う離職
- 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)
- 採用時に示された労働条件が事実と著しく違っていた
- 賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった
- 賃金が85%未満に低下した
- 離職直前6か月のうち、いずれか1か月に100時間、または連続する2か月以上で平均80時間を超える時間外労働があった
- 上司や同僚からの故意の排斥、著しい冷遇や嫌がらせを受けた
- セクシュアルハラスメントに対して会社が適切に対応しなかった
- 事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けた
- 妊娠・出産・育児・介護を理由とする不利益な取り扱いを受けた
- 事業所の移転により通勤が困難になった
特定理由離職者に当たる主なケース
- 有期契約の更新を希望したのに、更新されずに契約期間が満了した
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより退職した
- 妊娠・出産・育児のため退職し、受給期間の延長措置を受けた
- 父母の死亡や疾病により、扶養するために退職した
- 配偶者や扶養親族と別居生活を続けることが困難になった
- 結婚や事業所の移転などにより通勤が不可能または困難になった
- 配偶者の転勤や出向に伴い別居を避けるために退職した
- 企業の人員整理に伴う希望退職者の募集に応じた
参考元:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
離職票に書かれた退職理由に納得できない場合は、ハローワークの窓口で異議を申し立てられます。判定はハローワークが行うものであり、会社が記載した理由がそのまま確定するわけではありません。タイムカードの写しや残業時間の記録、パワハラの経緯をまとめたメモなど、事実を示す資料を持参すると判断材料になります。
失業保険の手続きの流れ6ステップ
ステップ1:離職票を受け取る
退職後、会社から「雇用保険被保険者離職票-1」と「-2」が郵送されます。届くまでの目安は10日から2週間程度です。2週間を過ぎても届かない場合は、会社に催促するか、ハローワークに相談してください。
ステップ2:ハローワークで求職の申し込みをする
住所を管轄するハローワークに行き、求職の申し込みをしたうえで離職票を提出します。この日が受給資格決定日となり、ここから待期期間7日のカウントが始まります。必要なものは次のとおりです。
- 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
- 身元確認書類
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
ステップ3:雇用保険受給者初回説明会に出席する
指定された日時の説明会に必ず出席します。ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が交付され、最初の失業認定日が指定されます。
ステップ4:失業の認定を受ける
原則として4週間に1度、指定された認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。この期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要です。求人への応募、ハローワークの職業相談、セミナーの受講などが実績として認められます。
認定日に行かないと、その分の基本手当は支給されません。やむを得ない事情がある場合は、事前にハローワークへ連絡してください。
ステップ5:基本手当が振り込まれる
失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した口座に振り込まれます(参考元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)。
ステップ6:所定給付日数まで繰り返す
再就職が決まるか、所定給付日数を使い切るまで、認定と振り込みを4週間ごとに繰り返します。
失業保険の受給期間は原則1年|延長できるケース
基本手当を受け取れる期間は、離職した日の翌日から1年間です。この1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れなくなります。
注意が必要なのは、所定給付日数が長い人です。たとえば330日の人が手続きを2か月遅らせると、1年の枠に収まらず、残日数を捨てることになりかねません。離職票が届いたらすぐに手続きをするのが鉄則です。
病気や妊娠・出産・育児・介護の場合は最大3年延長
病気やケガ、妊娠、出産、育児、親族の介護などの理由で、引き続き30日以上職業に就けない場合、その日数分だけ受給期間を延長できます。延長できるのは最大3年で、本来の1年と合わせて最長4年です。
すぐに働けない状態のときは「失業の状態」に当たらず基本手当を受け取れませんが、この延長制度を使えば、働ける状態になってから受給を開始できます。30日以上働けない状態が続いた日の翌日以降、早めにハローワークで申請してください。
60歳以上の定年退職者は最大1年延長
60歳以上の定年退職や、定年後の勤務延長期間が終了して離職した人が、しばらく休養したい場合は、受給期間を最大1年延長できます(合計2年)。こちらは離職日の翌日から2か月以内の申請が必要です。
失業保険受給中に気をつけたい3つのこと
1. アルバイトは申告すれば可能だが金額に注意
受給中のアルバイトは禁止されていませんが、失業認定申告書での申告が必須です。働いた日数や収入によっては、その分の基本手当が減額されたり、支給が先送りになったりします。
収入がある場合、1日あたりの収入から控除額1,429円(2026年8月1日以降)を引いた額と基本手当日額の合計が、賃金日額の80%を超えると、超えた分だけ減額されます。控除後の収入が賃金日額の80%以上になると、その日は支給されません。
2. 不正受給は3倍返しになる
アルバイトを申告しない、就職が決まったのに隠すといった行為は不正受給に当たります。発覚すると、それ以降の支給停止に加えて、不正に受け取った額の返還と、その2倍に相当する納付命令が科されます。つまり、受け取った額の3倍を納めることになります。悪質な場合は詐欺罪として告発される可能性もあります。
3. 早く再就職すると再就職手当がもらえる
所定給付日数を残して安定した職業に就いた場合、再就職手当が支給されます。残日数が3分の2以上なら残日数分の70%、3分の1以上なら60%が一時金として受け取れる仕組みです。基本手当を最後まで受け取るより、早く再就職したほうが結果的に得になるケースもあります。
失業保険に関するよくある質問
退職代行を使って辞めても失業保険はもらえますか?
もらえます。失業保険の受給条件は被保険者期間と失業の状態であり、退職の意思をどう伝えたかは条件に含まれません。ただし離職票は会社から発行されるものなので、退職代行を利用する際は、離職票の発行と郵送を依頼事項に含めておくとスムーズです。退職代行サービスの選び方は退職代行おすすめ比較ランキングで解説しています。
失業保険をもらうと年金や健康保険はどうなりますか?
失業保険の受給と年金・健康保険の手続きは別のものです。退職すると国民健康保険と国民年金への切り替えが必要になります。なお、基本手当日額が3,612円以上の場合、家族の健康保険の扶養に入れないことが多いため、この点は注意が必要です。
パートやアルバイトでも失業保険はもらえますか?
雇用保険に加入していればもらえます。現在の加入要件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。給与明細に雇用保険料の控除があれば加入しています。
失業保険に税金はかかりますか?
かかりません。基本手当は非課税所得であり、所得税も住民税もかかりません。確定申告で収入として申告する必要もありません。
複数の会社で働いていた期間も合算できますか?
合算できます。前職を退職してから次の職に就くまでの空白が1年以内で、その間に失業保険を受け取っていなければ、被保険者期間は通算されます。転職を重ねている人ほど、自分では気づかないうちに条件を満たしていることがあります。
退職金をもらっていても失業保険は受け取れますか?
受け取れます。退職金は会社から支払われるお金、失業保険は雇用保険から支払われるお金で、制度上のつながりはありません。退職金の額によって失業保険が減額されることもありません。
まとめ|手続きは早く、退職理由の判定は必ず確認を
失業保険は、離職前6か月の賃金をもとに計算した1日あたり50〜80%の金額を、90日から330日にわたって受け取れる制度です。2026年8月1日の改定で上限額が引き上げられ、45歳以上60歳未満では1日9,110円が上限となっています。
押さえておきたいのは次の3点です。
- 2025年4月以降の離職なら、自己都合の給付制限は原則1か月に短縮されている
- 教育訓練を受ければ給付制限は解除され、待期7日の後すぐに受給できる
- 自分から辞めた場合でも、パワハラや過度な残業が理由なら会社都合扱いになることがある
とくに退職理由の判定は、給付日数が倍近く変わる重要なポイントです。離職票の記載に納得できない場合は、そのまま受け入れず、証拠を持ってハローワークの窓口で相談してください。
そして受給期間は離職の翌日から1年で終わります。離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークへ行くことが、受け取れる額を最大にする一番の方法です。



