退職給付金という言葉を調べていると、会社からもらう退職金の話と、失業保険の話が混ざって出てきて混乱しがちです。
それには理由があります。退職給付金という名前の制度は、実は存在しないからです。
退職給付金とは、退職にともなって受け取れるお金をまとめて指す言葉として使われています。
中身は大きく2系統に分かれ、ひとつは失業保険や傷病手当金のように国や健康保険から支給されるもの、もうひとつは退職金や企業年金のように勤務先から支払われるものです。
そして退職後の生活を支えるという意味で重要なのは、前者の公的な給付です。こちらは自分で申請しなければ1円も受け取れません。申請しないまま権利を捨ててしまう人が少なくないのが実情です。
この記事では、退職後に受け取れるお金を18種類すべて一覧で整理し、自分がどれに該当するかを判定できるようにします。2026年8月改定の最新金額をもとに解説します。
- 退職給付金は制度名ではなく総称。公的な給付と会社からのお金の2系統がある
- 公的な給付は全部で17種類あり、いずれも自分で申請する必要がある
- 柱は失業保険(賃金の50〜80%、90〜330日)と傷病手当金(標準報酬日額の3分の2、通算1年6か月)
- 働けない状態なら傷病手当金、働ける状態なら失業保険。順番を間違えると受給額が大きく変わる
退職給付金とは?制度の名前ではなく「総称」
退職給付金は、法律で定義された制度名ではありません。雇用保険法にも健康保険法にも、退職給付金という給付は出てきません。厚生労働省が統計などで使うのは「退職給付(一時金・年金)制度」という用語で、こちらは勤務先が支払う退職一時金と企業年金を指します。
一方で世の中では、退職後に受け取れるお金全体をまとめて退職給付金と呼ぶ使い方が広まっています。そのため同じ言葉で、まったく別の2系統のお金が語られることになります。
| 公的制度から支給されるもの | 勤務先から支払われるもの | |
|---|---|---|
| 代表例 | 失業保険 傷病手当金 再就職手当 | 退職一時金 企業年金 中退共 |
| お金の出どころ | 雇用保険 健康保険 自治体 | 勤務先の会社 |
| 対象になる人 | 条件を満たし、申請した人 | 会社に制度がある人だけ |
| 申請 | 自分で申請が必要 | 原則不要 |
| 税金 | 非課税 | 退職所得として課税 |
注目してほしいのは申請の違いです。会社から支払われる退職金は、退職すれば自動的に振り込まれます。これに対して公的な給付は、自分でハローワークや健康保険に申請しなければ支給されません。
しかも制度が細かく分かれていて、条件も申請先もばらばらです。ここで取りこぼしが起きます。
退職給付金と失業保険は同じもの?
同じではありませんが、無関係でもありません。失業保険は、退職給付金と呼ばれるお金のなかの1つです。もっとも代表的で、受け取る人がもっとも多いのが失業保険なので、退職給付金=失業保険という理解が広まっています。
ただし退職後に受け取れるお金は失業保険だけではありません。病気で退職したなら傷病手当金、早く再就職したなら再就職手当、資格を取るなら教育訓練給付金があります。失業保険しか知らずに手続きを進めると、本来もらえたお金を逃すことになります。
退職後に受け取れる退職給付金18種類
まず全体像を押さえましょう。公的制度から17種類、勤務先から1系統です。自分に関係がありそうなものに目印をつけながら読んでください。
失業中の生活を支えるお金
| 制度 | 主な条件 | 金額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 失業保険 (基本手当) | 働く意思と能力があり求職活動中。 自己都合は2年で12か月以上、会社都合は1年で6か月以上の被保険者期間 | 賃金日額の50〜80% (90〜330日) | ハローワーク |
| 傷病手当金 | 業務外の病気やケガで働けず、連続3日を含む4日以上休業 | 標準報酬日額の3分の2 (通算1年6か月) | 健康保険 (協会けんぽ・健保組合) |
| 特例一時金 | 季節的に雇用される短期特例被保険者が失業 | 基本手当日額の30日分 (暫定措置で40日分) | ハローワーク |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上で離職 | 被保険者期間1年以上で50日分 1年未満で30日分の一時金 | ハローワーク |
| 住居確保給付金 | 離職などで住居を失うおそれがあり、収入・資産要件を満たす | 家賃相当額を原則3か月 (最長9か月) | 自治体の自立相談支援機関 |
| 未払賃金立替払制度 | 企業倒産により賃金が未払いのまま退職 | 未払額の8割 (上限は88万円~296万円) ※年齢で変動 | 労働者健康安全機構 |
再就職を後押しするお金
| 制度 | 主な条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 再就職手当 | 所定給付日数を3分の1以上残して 安定した職業に就いた | 残日数の3分の2以上なら70% 3分の1以上なら60% |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当を受け、再就職後6か月の賃金が離職前より低い | 賃金の差額の6か月分 (基本手当日額×残日数の40%が上限。再就職手当70%の人は30%) |
| 常用就職支度手当 | 就職が困難な人が残日数3分の1未満で就職 | 基本手当日額の40%に一定日数を掛けた額 |
| 広域求職活動費 | ハローワークの紹介で遠隔地の企業を訪問 | 交通費と宿泊料 |
| 移転費 | 就職や訓練受講のために転居が必要 | 鉄道賃・船賃・車賃と移転料 |
スキルアップを支援するお金
| 制度 | 主な条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金 | 指定講座を受講。 被保険者期間3年以上 (初回は1〜2年) | 一般20%(上限10万円) 特定一般40%(上限20万円、資格取得と就職で50%・上限25万円) 専門実践50%から最大80%(上限年64万円) |
| 教育訓練支援給付金 | 専門実践教育訓練を受講する失業状態の人 | 基本手当日額の60% (令和8年度末までの暫定措置) |
| 職業訓練受講給付金 | 雇用保険を受給できない人が求職者支援訓練を受講 | 月10万円+通所手当 |
| 技能習得手当 | 失業保険の受給中に公共職業訓練を受講 | 受講手当:日額500円 通所手当:月額上限42,500円 |
| 寄宿手当 | 訓練を受けるため家族と別居して寄宿 | 月額10,700円 |
| 訓練延長給付 | 訓練期間が所定給付日数を超える | 訓練終了まで基本手当を延長 |
勤務先から支払われるお金
| 制度 | 主な条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 退職一時金 企業年金 中退共 | 勤務先に退職給付制度があり、 規程の勤続年数を満たす | 定年退職で平均1,896万円 自己都合で1,441万円(大学・大学院卒) |
ここまでで18種類です。全部に該当する人はいませんが、3つ4つ重なる人は珍しくありません。
3つの質問で分かる!対象になる退職給付金
制度の数が多くて混乱しますが、絞り込みの軸は3つだけです。
質問1:いま働ける状態か、働けない状態か
これが最初の、そして最も重要な分岐です。
| いまの状態 | 受け取れるお金 |
|---|---|
| 働く意思と能力があり、仕事を探している | 失業保険(基本手当) |
| 病気やケガで働けない | 傷病手当金 |
| 働けないが、回復後に働く予定 | 傷病手当金 → 回復後に失業保険 |
| 働く予定がない(休養・家事に専念など) | 失業保険は対象外。受給期間の延長手続きを検討 |
失業保険と傷病手当金は、条件が正反対です。失業保険は「働ける」ことが前提、傷病手当金は「働けない」ことが前提なので、同時には受け取れません。
ここで見落とされやすいのが3行目です。心身の状態が悪くて退職したものの、いずれは働きたいという人は、傷病手当金を受け取ってから失業保険に切り替えられます。
この順番を踏むと、受給できる合計期間が大きく変わります。傷病手当金は通算1年6か月、その後の失業保険が最長でおよそ11か月なので、合わせて2年を超えるケースもあります。
逆に、体調が悪いのに失業保険の手続きだけを進めてしまうと、傷病手当金の権利を使わないまま終わります。傷病手当金は在職中または退職前後の受診が前提になるため、後から遡って取り戻すのが難しい給付です。
質問2:退職理由は自己都合か会社都合か
| 退職理由 | 必要な被保険者期間 | 給付制限 | 給付日数 |
|---|---|---|---|
| 自己都合 | 2年で12か月以上 | 原則1か月 | 90〜150日 |
| 会社都合(特定受給資格者) | 1年で6か月以上 | なし | 90〜330日 |
| 正当な理由のある自己都合(特定理由離職者) | 1年で6か月以上 | なし | 90〜330日 |
自分から退職届を出した場合でも、パワハラ、過度な残業、賃金の未払い、退職勧奨などが理由であれば、会社都合と同じ扱いになることがあります。判定するのは会社ではなくハローワークです。この点はのちほど詳しく説明します。
質問3:次に何をするか
| 次の予定 | あわせて使えるお金 |
|---|---|
| すぐ転職する | 再就職手当、就業促進定着手当 |
| 資格やスキルを身につける | 教育訓練給付金、教育訓練支援給付金、技能習得手当 |
| 職業訓練に通う | 技能習得手当、寄宿手当、訓練延長給付、職業訓練受講給付金 |
| 遠方で就職する | 広域求職活動費、移転費 |
| 住まいが不安 | 住居確保給付金 |
この3つの質問に答えれば、自分が申請すべき給付はおおむね絞れます。ただし条件の細部は加入期間や標準報酬額、受診の有無によって変わるため、最終的な可否はハローワークや健康保険、あるいは申請支援の窓口で確認するのが確実です。
失業保険(基本手当)|退職給付金のなかで最も利用者が多い給付
18種類のなかで中心になるのが失業保険です。正式には雇用保険の基本手当といい、退職給付金と呼ばれるお金のなかで、もっとも多くの人が受け取る給付です。
金額は、離職前6か月間の賃金を180で割った賃金日額に、50〜80%の給付率を掛けて決まります(60〜64歳は45〜80%)。
2026年8月1日からの上限は年齢別に7,450円から9,110円、下限は2,562円です。
月給30万円の人なら1日あたり約6,307円、30日でおよそ18万9,000円が目安になります。
受け取れる日数は退職理由と勤続年数で決まり、自己都合なら90〜150日、倒産や解雇などの会社都合なら最長330日です。入金が始まるまでの目安は、会社都合で退職から約1か月半、自己都合で約2か月半かかります。
失業保険が「いくらもらえるのか」「いつまでもらえるのか」を気にされる方は多いと思います。そのため、次の内容は専用の記事にまとめています。
- 受給条件の詳しい判定(被保険者期間の数え方、失業の状態とは)
- 年齢・月給別の受給額シミュレーション
- 所定給付日数の全パターン(自己都合・会社都合・就職困難者)
- ハローワークでの手続きの流れと必要書類
- 受給期間の延長、受給中のアルバイト、再就職手当
自分がいくら受け取れるかを具体的に知りたい方は、こちらをご覧ください。
傷病手当金|働けない期間を支える給付
退職後のお金として見落とされやすいのが傷病手当金です。健康保険から支給される給付で、失業保険とは制度がまったく別です。
4つの条件をすべて満たすこと
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
参考元:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
ここでいう病気やケガには、うつ病や適応障害などの精神疾患も含まれます。仕事が原因で心身を壊して辞めたという人は、対象になる可能性があります。
金額は標準報酬日額の3分の2、期間は通算1年6か月
1日あたりの額 = 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
標準報酬月額が30万円なら、30万円÷30=1万円、その3分の2で1日あたり約6,666円です。30日で約20万円になります。失業保険の同水準(月給30万円で約18万9,000円)よりやや高くなるケースもあります。
支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。以前は暦で1年6か月という数え方でしたが、通算になったため、途中で復職した期間を挟んでも、支給された日数を合計して1年6か月に達するまで受け取れます。
退職後も継続して受け取れる
ここが重要な点です。傷病手当金は在職者向けの制度だと思われがちですが、条件を満たせば退職後も継続して受給できます(資格喪失後の継続給付)。
- 退職前の被保険者期間が継続して1年以上あること
- 退職日の前日までに傷病手当金を受給しているか、受給できる状態にあること
逆に言えば、退職してしまってから「そういう制度があったのか」と気づいても手遅れになりやすい給付です。退職日の前日までに受給できる状態になっていることが条件なので、在職中に受診し、医師の証明を得ておく必要があります。順番が決定的に重要なのはこのためです。
失業保険との関係と受け取る順番
傷病手当金と失業保険は同時に受け取れません。前者は働けない状態、後者は働ける状態が前提だからです。そのため、体調を崩して退職した人が取るべき順番はこうなります。
- 在職中に受診し、傷病手当金の受給を開始する
- 退職後も継続給付で受け取り続ける(通算1年6か月まで)
- 並行して、失業保険の受給期間延長をハローワークに申請しておく
- 働ける状態になったら、失業保険の受給を開始する
3番目を忘れると、失業保険の受給期間(離職の翌日から1年)が過ぎてしまい、傷病手当金が終わった時点で失業保険を受け取れなくなります。病気やケガで30日以上働けない場合は受給期間を最大3年延長でき、本来の1年と合わせて最長4年まで先送りできます。この手続きを踏むかどうかで、受け取れる総額が100万円以上変わることもあります。
自己都合でも「会社都合扱い」になることがある
給付日数が倍近く変わり、給付制限もなくなるため、ここは必ず確認してください。自分から退職届を出した場合でも、次のような理由であれば特定受給資格者や特定理由離職者と判定されます。
- 離職直前6か月のうち、いずれか1か月に100時間、または連続する2か月以上で平均80時間を超える時間外労働があった
- 上司や同僚からの故意の排斥、著しい冷遇や嫌がらせを受けた
- セクシュアルハラスメントに対して会社が適切に対応しなかった
- 事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けた
- 賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった
- 賃金が85%未満に低下した
- 採用時に示された労働条件が事実と著しく違っていた
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより退職した
- 妊娠・出産・育児のため退職し、受給期間の延長措置を受けた
- 父母の死亡や疾病により、扶養するために退職した
- 結婚や事業所の移転などにより通勤が不可能または困難になった
- 有期契約の更新を希望したのに更新されなかった
参考元:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
8番目の「心身の障害、疾病」が入っている点に注目してください。体調を崩して辞めた場合は、それだけで特定理由離職者に当たる可能性があります。給付制限がなくなり、被保険者期間の条件も1年で6か月に緩みます。
判定するのはハローワークであり、会社が離職票に書いた理由がそのまま確定するわけではありません。納得できない場合は窓口で異議を申し立てられます。タイムカードの写し、残業時間の記録、診断書、やりとりのメモなど、事実を示す資料があると判断材料になります。
勤務先から受け取る退職給付金(退職金・企業年金)
ここまでが公的な給付です。もうひとつの系統である、会社から支払われるお金についても押さえておきましょう。
制度がある会社は74.9%
そもそも退職金の支払いを企業に義務づける法律はありません。労働基準法第89条で、退職手当は就業規則の相対的必要記載事項とされているだけで、制度を設けるかどうかは各企業の判断です。
厚生労働省の調査では、退職給付制度がある企業は74.9%です。企業規模別では1,000人以上が90.1%、300〜999人が88.8%、100〜299人が84.7%、30〜99人が70.1%となっています(参考元:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」)。小規模な企業では約3割が制度を持っていません。
4つの制度と受け取り方
| 制度 | 特徴 | 受け取り方 |
|---|---|---|
| 退職一時金 | 社内規程で金額が決まる。もっとも一般的 | 退職時に会社から一括 |
| 確定給付企業年金(DB) | 将来の給付額があらかじめ決まっている | 年金または一時金 |
| 企業型確定拠出年金(DC) | 運用成績で受取額が変わる | 原則60歳以降 |
| 中小企業退職金共済(中退共) | 国の制度。掛金月額5,000〜30,000円 | 本人が機構に請求し直接受け取る |
注意が必要なのは後半の2つです。企業型DCは退職時に転職先のDCかiDeCoへ移換する手続きが必要で、放置して6か月を過ぎると自動移換となり、運用が止まったまま手数料だけが引かれ続けます。中退共は会社を経由せず、本人が勤労者退職金共済機構に請求しなければ支払われません。
金額の相場
| 退職事由 | 大学・大学院卒 | 高校卒 (管理・事務・技術職) | 高校卒 (現業職) |
|---|---|---|---|
| 定年 | 1,896万円 | 1,682万円 | 1,183万円 |
| 会社都合 | 1,738万円 | 1,385万円 | 737万円 |
| 自己都合 | 1,441万円 | 1,280万円 | 921万円 |
| 早期優遇 | 2,266万円 | 2,432万円 | 2,146万円 |
参考元:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」第22表
自己都合退職は定年退職より約24%低くなります。多くの企業が自己都合に対して支給率を下げる係数を設けているためです。ただしこれは勤続20年以上の平均なので、勤続年数が短い人には当てはまりません。自分の金額は勤務先の退職金規程を確認するしかありません。
税金は退職所得控除でほとんどかからない
(収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得の金額
退職所得控除額は、勤続20年以下なら40万円×勤続年数、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。勤続38年なら2,060万円になるため、平均額の1,896万円は控除の範囲に収まり、税金はかかりません(参考元:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」)。
ただし「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しないと、一律20.42%が源泉徴収されます。退職手続きの際は必ず提出してください。
なお2026年1月1日以後に支払われる退職手当等については、確定拠出年金の一時金を先に受け取っていた場合の控除の調整対象期間が、前年以前4年内から前年以前9年内に拡大されました。いわゆる5年ルールが10年ルールになった改正です。iDeCoや企業型DCに加入している人は、受け取る順番と間隔で税額が変わります。
退職給付金に関するよくある質問
退職給付金は誰でももらえますか?
いいえ。公的な給付は制度ごとに条件があり、たとえば失業保険なら被保険者期間と求職活動が必要です。会社から支払われる退職金は、勤務先に制度がなければ発生しません。「退職すれば誰でももらえるお金」ではありません。
退職給付金は申請しないともらえませんか?
公的な給付はすべて申請が必要です。自動で振り込まれることはありません。会社からの退職金は原則として自動で支払われますが、中退共だけは本人が機構に請求する必要があります。
退職給付金に税金はかかりますか?
失業保険や傷病手当金などの公的な給付は非課税です。会社から受け取る退職金は退職所得として課税対象ですが、退職所得控除が大きいため実際には非課税になるケースが多いです。
退職代行を使って辞めても受け取れますか?
受け取れます。どの給付も、退職の意思をどう伝えたかは条件に含まれていません。ただし失業保険の申請には会社が発行する離職票が必要なので、退職代行を使う場合は離職票の発行と郵送を依頼事項に含めておいてください。サービスの選び方は退職代行おすすめ比較ランキングで解説しています。
退職してから時間が経っていても申請できますか?
制度によります。失業保険の受給期間は離職の翌日から1年で、これを過ぎると残日数があっても受け取れません。傷病手当金は退職日の前日までに受給できる状態になっていることが条件なので、退職後に気づいた場合は難しくなります。時間の経過で権利が消える給付が多いため、早めの確認が重要です。
パートやアルバイトでも対象になりますか?
雇用保険に加入していれば失業保険の対象です。加入要件は週の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込みで、給与明細に雇用保険料の控除があれば加入しています。傷病手当金は健康保険の被保険者であることが条件です。
まとめ|退職給付金は「申請しないと消える」お金
退職給付金とは、退職後に受け取れるお金の総称です。公的制度から17種類、そして勤務先からの退職金という2系統に分かれます。
押さえておきたいのは3点です。
- 公的な給付はすべて自分で申請が必要。受給期間を過ぎると権利が消える
- 働けない状態なら傷病手当金、働ける状態なら失業保険。順番を間違えると総額が大きく変わる
- 自分から辞めた場合でも、体調不良やパワハラが理由なら会社都合扱いになり、給付が手厚くなる
とくに傷病手当金は、退職日の前日までに受給できる状態になっていることが条件です。退職してから気づいても間に合わないため、退職を考えている段階で自分が対象になるかを確認しておくことが、受け取れる額を最大にする一番の方法です。



